競馬における脚質(きゃくしつ)とは、競走馬がどのポジションで競馬をするのが得意かによって逃げ・先行・差し・追い込み・自在などのタイプに分けられますが、必ずしも固定されるものではありません。
騎手の判断によってやゲートで出遅れた馬が追込むことや差し馬が逃げ・先行策を取ることもあります。競馬新聞や専門誌では、逃・先・追・差・自といった形で表示で示されています。
競馬における脚質とは!?
先述した通り、脚質は必ずしも定まった性質ではなく、気性と脚力の兼ね合いによって決められます。
気性(精神力)は、持って生まれた性格で遺伝によることが大きく、血統的な傾向が見られることが多いです。他馬よりも前に出たがる闘争心、最後まで踏ん張れる粘り強さ、騎手の指示に従う折り合い、マイペースにリラックスして走れる素直さ、馬込みを恐れない図太さなどの要素があります。脚質や距離適性に影響を及ぼします。
脚力(走る能力)は、どれだけ速く走ることができるかというスピード、発走送直後の瞬発力(ダッシュ力)、最後の瞬発力(末脚・決め手)、持久力(スタミナ)などで構成されます。気性とともに脚質、距離適性、コース適性(坂の有無、右回り、左回り、小回り)などに関わってきます。
◎強い逃げ馬・×危険な逃げ馬
逃げ馬とは、スタートダッシュの良さを生かして先頭に立ち、常に馬群の先頭に立ってレースをリードします。
強い逃げ馬は闘争心が強く、他馬に並びかけられると闘争心に火が付き、抜かせまいと最初から最後まで自らレースをつくっていくタイプです。よほどのハイペースにならない限りは大崩れは少ないのも特徴で、逃げ馬はレースがスローペースで流れるほど、余力を残して逃げを打てるため有利になります。
危険な逃げ馬は、気が弱く馬込みを怖がる馬は、常に怯えて走っているためペースの融通が利かずに一本調子の逃げ馬になってしまうことが多く、後続馬に追い付かれると一気に走る気を失ってしまうことも多いです。また気性が荒く、抑えが利かない逃げ馬は、騎手の意図よりもハイペースで走ってしまい、ゴールまでスタミナが持たずに沈んでいくパターンが多くなります。ただし、出走馬に逃げ馬がおらず、展開の利が見込めそうな時や軽ハンデに恵まれた時は、穴馬候補として一考する価値はあります。
逃げ馬に必要な能力は、闘争心・粘り・スピード・発走直後の瞬発力・持久力です。
◎強い先行馬・×危険な先行馬
逃げ馬の直後の2,3番手でレースを進めるのが先行馬です。
強い先行馬は、騎手が判断した勝負所でスッと反応の良さと、後続馬を振り切る二の脚を兼ね備えた先行馬は信頼度が高いとされます。騎手とよく折り合い、ペースの緩急に対応できるタイプは、逃げ馬と後続馬の両方の脚色を見ながらスパートをすることができるため、単調に逃げる馬よりも安定感があります。逃げ馬と同じく、スローペースになるほど有利になります。
危険な先行馬は、極端なスローペースにならない限り、馬込みで揉まれる心配は少ないですが、前に馬を置いて走るため、逃げ馬よりも精神的に融通が利く気性である必要があります。イレ込んだり、落ち着きが足りないタイプは、展開次第で折り合いを欠いてしまい、ゴール前で失速していくしてしまう傾向です。
先行馬に必要な能力は、闘争心・粘り・折り合い・スピード・発走直後の瞬発力・持久力です。
◎強い差し馬・×危険な差し馬
差し馬は道中では馬群中団から後方に位置取り、4コーナーあたりから好位へ上りゴール手前で前にいる馬を交わすことを目指す脚質です。
強い差し馬は、どんなペースでも折り合いがつく素直な気性であることが重要とされます。ゴール手前の瞬発力と追い出した時の反応の良さが能力を左右します。
危険な差し馬は、スタート直後のダッシュ力はさほど必要ではありませんが、馬込みに動じない気持ちの強さは欠かすことができません。馬群に揉まれてやる気を失うようでは、直線に向いた際に余力は残っておらず見せ場のないままレースを終えてしまいます。また、追い出した時の反応が鈍いと差しても届かず、脚を余して負けてしまいます。
差し馬に必要な能力は、粘り・折り合い・抑え・図太さ・スピード・最後の瞬発力・持久力・爆発力です。
◎強い追込み馬・×追込み先行馬
追い込み馬は、レース前半は馬群の後方を追走すえう後方待機策を取って、最後の直線で末脚を爆発させるタイプの脚質。
強い追い込み馬は、最後の直線で馬群を割って伸びる気持ちの強さを持っていれば鬼に金棒。ただし、追い込み馬は展開に左右されることが多く、よほどの能力がないと成績を安定しません。差し馬と同様に脚を持て余して負けてしまうこともあり、後方一気のインパクトある勝ち方は競馬ファンを魅了しますが、取りこぼしも目立つことも覚えておきましょう。
危険な追い込み馬は、追い込み一手の馬は逃げ馬と同様に馬込みを嫌うなど気性難があったり、スタート直後のダッシュ力に欠ける馬であることが多いです。馬込みを苦にするタイプは、馬群の外側を走らざるを得ず、最後の直線でも大外から追い込むことになります。他馬との接触や進路を塞がれるなど不利を避けることはできますが、その分、距離ロスも大きくスタミナを消耗します。
追い込み馬を狙うなら逃げ・先行馬が揃いハイペースが見込める際のレースで狙っていきましょう。
追い込み馬に必要な能力は、粘り・折り合い・抑え・図太さ・スピード・最後の瞬発力・持久力・爆発力です。
自在馬の特徴
自在馬は、気性難がなくレースの流れに応じて指示通りの位置取りでレースができる馬。どんな展開にも臨機応変に対応できる操縦性の高さが強みになります。
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