【解説】調教パターン、追い切りの見方や評価について

競馬の基本知識

 調教とは、馬の体調に合わせてや目標とするレースによって変わってくるもの。好走時の調教パターンや方法を知ることで馬の特徴や調子を見抜くヒントにもなりますので、ぜひご覧ください。

最終追い切り

 追い切りとは、レースに向けて時計を取って行う調教のことを言います。レース当日に競走馬を最高の状態に持っていくための仕上げの調教のことを最終追い切りといい、レース直前の水曜日もしくは木曜日の朝に行われます。

金曜追い

 何かしらの理由により、水曜・木曜日に最終追い切りができなかった場合や、満足の行く追い切りができなかった馬が、金曜日にもう一度追い切りを行うことを金曜追いと言います。その他の場合は、最終追い切り後の微調整として行われるケースもあります。

朝追い

 最終追い切りを済ませた後に、さらに金曜か土曜の朝軽めの追い切り(朝追い)を行うこともあります。

日曜追い

 翌週のレースに出走予定の馬が、日曜日に追い切りを行うこと。ある程度の負荷をかけて時計を取ることを言います。

当日追い

 当日追いは、レース当日の朝に脚ならし程度に軽く走らせることを言います。当日の情報になるので競馬新聞では情報を確認することはできません。

中1週で臨むために時計を出していない

 前走から中1週(前走との間隔が2週間)の臨戦過程の場合は、レース間隔が詰まっているため、中間時計を出していないくても問題ありません。

前走から1週間後に好時計をマークした

 レースに出走すること自体が、競走馬にとって大きな負担がかかるため、レース後に体調を崩してしまう馬も存在します。しかし、体調が良ければ疲労からの回復も早くレース1週後には速い時計を出せる状態になります。この場合は、次走に向けて臨戦態勢に入ったと判断することができます。

騎手が騎乗する

 調教師、助手、騎手が騎乗することがありますが、調教内容自体には差はありません。ただし、レースで騎乗予定の騎手が調教をつける場合は、陣営の意気込みが強いことが分かります。その他の理由として考えられるのは、乗り替わりの騎手が馬のクセや感触を知るために騎乗することもあります。ただし、体重の軽い現役騎手が騎乗した時は、体格の良い調教助手や調教師が騎乗する時よりも、速い時計をマークする傾向があります。

 また、最終追い切りに騎手が騎乗することで、馬がレースが近いと察知してテンションが上がるケースもあるため、そのような馬には調教助手が騎乗して最終追い切りを行います。

中2週で出走なのに時計が出ていない

 前走から中2週(前走から3週間)の間隔を空けてレースに臨む場合は、最低でも1本は時計を出す必要があるとされます。それ以上の長い臨戦過程の場合は、2~3本の時計を出すのが普通です。

 間隔の割りに時計の本数が少ない場合は、時計を出したくても出せない理由があると推察することができます。主な不調の原因としては、前走の疲れが抜けていない・飼い葉を食べない・体調を崩しているなどが考えられます。

 競走馬をレースモードへと仕上げる最終追い切りが、どのコースで、どの程度の強度で行うか重要なポイントになります。馬にレースが近いということを理解させて、競走意識を高める意味も込められています。

 相手に競り勝つ精神力を養う目的で行われる併せ馬。テンションの上がり過ぎを抑える単走など調教方法について解説します。

単走(たんそう)

 単走とは文字通り、1頭だけで調教すること。併せ馬を行うと必要以上にテンションが高まってしまい、速く走り過ぎてしまうことがあります。このようなタイプの馬には単走の方が良いです。また、レース間隔が詰まっていて強い調教が必要ない時も単走を選ぶことも多くなります。

併せ馬(あわせうま)

 併せ馬は、他馬と並行して走らせる追い切りの方法です。2頭で行うことも多いですが、より実戦に近い形式で行う場合は、3~4頭で走らせることもあります。併せ馬を行った場合は、併走した馬の馬名・条件(クラス)・脚色・併走開始位置、着差なども記載されます。併せ馬では、外に併せて先着すれば内容の濃い追い切りと評価することができます。

併せ馬の3つの目的

併走の目的は主に3つ。

1.併せ馬でより実戦モードに近づけ、速い時計を出して運動量を増やすことで馬体を絞る。

2.レースに対する恐怖心を取り除き、精神力を養う。

3.若駒や休養明けの馬の闘争心を掻き立てる。

ゲート練習

 競走馬はゲート試験に合格しなければ、レースに出走するこができません。そのため、入厩前の育成段階でゲートの扉を閉められても落ち着いていられるように訓練されます。ゲートで立ち上がってしまう馬には再審査が課され、トレセン内でゲート練習が行われます。

ゲート追い

 レース本番と同じように、ゲートからスタートさせて追い切りを行うこと。ゲート入りが悪い馬や、スタートが遅れる馬などが練習を兼ねて行われます。

15-15

 1ハロン(=200m)を15秒程度の速さで走らせる調教のことを15-15と言います。軽めの調教の代名詞として、5ハロン(=1000m)だと75秒、6ハロン(=1200m)だと90秒となり、これよりも速いタイムで走った時に時計を取ります。逆に15-15よりも遅い場合は記録されず、その日は時計を出さなかったと解釈されています。

右回り・左回り

 中央競馬のレース場には右回り・左回りコースがあるため、トレセンでの調教でも両方の回りで行われます。美浦トレセンは南馬場・北馬場ともに水・木・金曜が右回り、火・水・日曜が左回りになります。ただし、左回りの東京競馬場の開催時期に限っては、北馬場は水・木・金曜が左回りになります。栗東トレセンでは原則として、日・火曜が左回りで、それ以外の曜日は右回りになります。

障害練習

 調教欄を確認すると、前走後に障害練習を行っている場合があります。主な目的は、障害レースに出走するためではなく、心肺機能の強化、トモ(後ろ脚)の筋力強化などが挙げられます。

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